仏教には「一切皆苦」という教えがあります。私たちの人生は思い通りにならないことの連続で、誰しも苦しみや悩みを抱えて生きているという真理を示します。悩みを持つことは人間として当然のことであり、むしろ悩みを避けて生きることはできないのだと教えられます。
しかし、「弱音を吐いてはいけない」「人に迷惑をかけてはいけない」という考えがしみつき、自分の気持ちを抑え込んでしまうことさえあるように思います。悩みや弱音を素直に表現することは容易ではありません。
仏さまの眼から見れば、悩み苦しむことは恥ずかしいことではなく、むしろ人間本来の姿です。だからこそ、互いにその弱さを認め合い、「悩んでもいいのだ」と許し合える社会を築くことが大切なのだと思います。
安楽寺では「悩みごとお寺で聴きます」と掲示しています。一人で悩んでいると答えはなかなか見えてきませんが、お話をお聴きして一緒に考える中で道筋を見つけられることもあるかと思います。周りの人にも、ぜひお伝えください。